〇長い二日間が終わりました。昨日は、午前中に下妻市で葬儀。お元気なころは亡母と共に一日地域を一緒に回ってくださったお世話になった方。天上で母と再会できればと思います。最後の出棺まではいられず、後ろ髪引かれる思いで車で上京して、緊迫する国会に。
国会では、予算委員会は有志の会の緒方議員の質疑が終わったところでストップ。立憲民主党は、予算委員会の質疑者をこの時点で出さず。小野寺予算委員長解任決議案が出され、慣例により本会議で優先処理されます。議案への質疑には制限時間があるものの、議案の提案理由説明には制限時間がないため、立憲民主党の山井議員が大きな袋一つ分の資料を持ち込み、衆議院史上最長の演説。その後、記名採決され否決。この時点で、予算委員会の残りの立憲民主党と共産党の質疑を0:10から再開するとの情報が流れて、もううんざり。
立憲民主党は、さらに鈴木財務大臣不信任案を提出し、これも慣例により予算委員会再開の前に優先処理。22時に始まった本会議では、立憲民主党の奥野議員が再び大量の資料を持ち込んで、長い演説を始める。奥の席に座っている二階議員を覗いてみると、青白い顔でフラフラしている。大丈夫か?このまま行くと、明朝明るくなっても予算案の採決はできずどうなることかと思っている時、議場で立憲民主党の議員が白い旗?をヒラヒラさせたことを合図に、尻切れトンボでなぜか演説は終了。以降は翌日に持ち越される。
0時過ぎに議員会館を出て、地元に車で帰ってきたのが午前1時半。ちょっと寝てから地元の地域の会合でご挨拶をして、電車で再上京。9時からは予算委員会が再開していて、質疑者を出していなかった立憲民主党の議員などが質疑。みんなが寝静まっている0時から9時の間に質疑者が決まって、役所に質問通告を出し、役所が徹夜で質疑の準備をしたことを思うと、一体何のためなんだ?と割り切れない思いになる。午後に予算委員会の締めくくり総括質疑、賛成・反対の討論と続き、予算案は14時過ぎにあっさり予算委員会で採決され可決。15時半からの本会議も、何の波乱もないまま淡々と予算案の採決が行われました。久しぶりに、躰の奥底から疲れました。(後ろの2枚の画像は記述と特に関係はありません。)
私たち有志の会は、予算案に反対、所得税法等国税改正法案に反対、地方税等改正法案に賛成いたしました。昨晩の小野寺予算委員長解任決議案は退席・棄権、鈴木財務大臣不信任案には反対しました。
元より、能登半島地震対応を補正予算案として出さず予備費で対応しようとしていること、子供子育て支援予算の財源が実質増税で将来に禍根を残すものであること、何よりも自民党派閥パーティー裏金問題についての説明責任が全く果たされていないことから、予算案に賛成する余地は一切なく、岸田政権の舐め切った国会対応を許せるものではありません。
しかし、ずっと予算委員会に座っている現場の緒方議員によると、もうバレンタインデーの前後には3月1日の予算案採決に向けた出口が見えていた模様。29日の中央公聴会の日程セットが22日に提案されたことで、それが明確になります。本来は中央公聴会、予算委員会分科会という順序で進むので、通例であれば来週にならなければ採決できないのに、今年はあえてその順番を逆にすることを与野党合意で決めて、3月1日の採決に向けた環境整備を行ったのです。
憲法の規定による予算案の年度内自動成立を阻止するための手段は、この通常国会ではいくらでもありました。裏金議員を予算委員会に参考人などで呼ぶのではなく、予算委員会と別日程でできる政治倫理審査会を舞台にしたこと自体、最終的に予算案の審議促進に大いに役立ちました。私たちは、元々野党が予算案審議の過程で与党と本気で戦っているとは思えず、最後の最後に帳尻を合わせるかのように戦っているふりをしていることは看過しえず、フィリバスターと言われる採決を延ばすパフォーマンスに付き合いきれず棄権・反対を行ったのです。
現に、山井議員の演説も奥野議員の演説も、物事を動かさんとして火の玉が出るような真剣なものではなく、ニヤニヤしながら、自民党席からのヤジと対話しながらの不真面目なものと言わざるを得ませんでした。それまで最長だった枝野議員の演説が、1冊の本になるぐらい理路整然とした立派なものであったのとは対照的です。お二人とも親しくさせていただいておりますが、党の指示によってやむを得ずやっていたのではないでしょうか。当初賛成を決めていた隣席の国民民主党も途中から聞くに堪えなくなり、一緒に一時退席したほどです。もし、本気で月曜日まで採決させないつもりなら、高齢議員の体調が悪くなろうが、霞ヶ関の官僚たちや国会職員を土日に出勤させようが、いくつも不信任案を提出して提案理由説明の演説を真剣にずっと続ければ、日程上はそれが可能でした。でも、先に述べたように白旗を掲げて、それもできず。はじめから官邸や与党から足元を見られていたのです。
私は、「代議士」と呼ばれる衆議院議員は、国民の皆さんに代わって、議場で議論し、与野党がっぷりと戦うサムライだと思っております。しかし、昨日からの議場は、「道化の劇場」。ここまで日本の国会は堕ちたか、と悲しい気持ちになりました。やはり既存の政党の枠組みに、日本の未来はありません。このような国会はこれで最後にするために、私たち有志の会はまなじりを決して行動してまいります。その思いは、別投稿の緒方議員の予算委員会の最後の演説に込められていますので、ぜひそちらもご覧ください。