〇国会での法案の賛否は、純粋に条文へ賛否を表明をする重いものである。私たち有志の会は、それゆえ一本一本の法案を条文ベースで精緻に読み込んで、賛否の検討を時には侃々諤々議論をしながら決めている。
日本維新の会は、政治資金規正法等改正法案に衆議院では賛成、参議院では反対。条文は衆参両院で一文字たりとも変わっていない。どういうことなのか、全く理解に苦しむ。私も委員会で維新案を受けた修正案のいくつかの欠陥を指摘したが、法案が間違えているというなら、衆議院の段階で反対しなければならない。法案と関係ない政局で賛否を決めたのだとするなら、立法府の役割を放棄したこんな不謹慎なことはない。
ちなみに、日本維新の会が求めるいわゆる「文通費」の使途公開は、これらの法案とは関係ない。自民党と日本維新の会が合意したことは、「調査研究広報滞在費(旧文通費)については、衆参議長の下に設置される協議の場において前向きに議論を行い、使途公開と残金返納を義務付ける立法措置を講ずる」というものである。法律を作るためには、それなりの時間がいる。「今国会中にやらないのは約束違反」などというのは、言いがかりにすぎないのだ。
これまでの日本維新の会の国会での活動を見ていると、何人かの優秀で有望な議員はいるものの、法律の条文をきちんと読み込んで法案審議をしたり、論理的に政策体系を作っていく文化に欠けるようにみえることもある。先の政治改革特別委員会でも、ある優秀な若い議員が私の条文上の問題点の指摘に対して、精いっぱいの反論をしていたが、あまりにも未熟なものであった。「身を切る改革」の前に、政治として立法府の人間として「身」とは何か、という根本的なところの認識不足があるのかもしれない。
既存の政治の殻を打ち破るような政治勢力は必要だ。ぜひ、その志があるのであれば、一から出直していただくことを期待する。