福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

ペリリュー島の遺骨収集事業の抜本的な対策を武見大臣に要望

〇今年の5月にパラオ共和国ペリリュー島に派遣された政府の遺骨収集団が、1,000柱以上が眠っている可能性のある集団埋葬地の場所を特定してきたことを受けて、水戸歩兵二連隊・ペリリュー島慰霊会として武見敬三厚生労働大臣に対して、早期の収容のために政府が抜本的な対策を取ることべきことを求めてまいりました。

 私は、これまでも何度も歴代厚生労働大臣に対して、自らのペリリュー島での遺骨収集の経験も踏まえて、早期のご遺骨帰還を訴えてきました。今回は慰霊会から、まさにこの集団埋葬地の特定に派遣団の一員として立ち会ってきた市原直理事にもご同行いただきました。市原さんは元航空自衛隊の戦闘機乗りで、硫黄島司令。元自衛官として、ただひたすら慰霊の思いで熱心に遺骨収集に取り組んでくださっています。

 厚生労働省の事務方からは、来年度のペリリュー島関連の予算を倍増させるとの説明をいただきましたが、私から「ご遺族は高齢化していてもう長い間待てない状況だ。倍増させても10年くらいかかってしまう。これまでの前例にないやり方で集中的にやるべきだ」と訴えました。

 武見厚生労働大臣はその訴えをじっと聞いていて、

①来年は戦後80年なのでその目玉事業の一つとして実行する。

②来週パラオに派遣される遺骨収集団の調査結果を踏まえて政府として集団埋葬地の発見を正式に発表し、集中的な収容のための方策を検討し、前例のないやり方でご遺骨の早期収容を進める。

③外交安全保障戦略上重要なパラオ共和国との友好のためにも、外務省としっかり連携する。

とその場で決断し、事務方に指示をしてくれました。このようなことは、普通の大臣陳情では滅多にないことです。

 一連の指示を出した後、武見大臣は大臣室にミッドウェー海戦で沈んだ旗艦「飛龍」を飾っていると話し始めました。その意は、「艦長の山口多聞海軍中将は、米国駐在経験もあり対米開戦がうまくいかないことはわかっていて、自らそれを主張した。しかし、開戦に至り、やむを得ぬ思いで散っていった。私も、あと少しの政治家人生、かくありたいものだ」と。大臣の目の奥には、光るものがあるように見えました。

 政治家をやっていて醍醐味を感じるのは、このように前例とか党派とかを超えて人間同士の魂の繋がりによって何か新しいものが生まれる時です。武見大臣と市原理事と私の三人は、この瞬間「何としても一日も早くペリリュー島のご遺骨を祖国と家族の元に戻したい」という純粋な思いが繋がり、大臣のご決断をいただいたのです。

 おそらく新総理の誕生によって、武見大臣も交代することでしょう。でも、武見大臣と共にペリリュー島の遺骨収集事業の今後をしっかりと見届けてまいりたいと思います。

 

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 茨城新聞にも掲載されました。