事業仕分け、TPP(環太平洋連携協定)と農産物の自由化、農業関係の税制、内閣委員会での公務員制度改革、新成長戦略、伝統産業振興などなど仕事が目白押しです。今週は朝8時から働きづめの毎日で、まともに座って食事も出来ない状況です。
そんな中、今日は特別会計の事業仕分けの視察に特許庁にある独立行政法人工業所有権情報・研修館(特許特別会計の事業)と東京商工会議所にある東京都地域ジョブ・カードセンター(雇用保険特別会計の事業)に行って参りました。2ヶ所ともテレビカメラが何台も入り、記者たちで大混乱の状況でした。政権浮揚の目玉とはいえ、事業仕分けが単なるパフォーマンスであってはいけないと思います。まじめに仕事をしている人たちの職場にワサワサと入って「このパソコンは何に使っているんだ!」とか蓮舫大臣ばりに職員に詰問するのは、気の弱い(笑)私には気が引けましたので、視察の群れから独り離れて、反対側にある別の部屋に入ってみました。そこで見たものは。。。今日のところは内緒です。いずれにしても、単にテレビの前で吼えるだけではなくて、マスコミ受けしない地道で多少小難しい話であっても、しっかりとした特別会計に関する制度論を行ってまいりたいと思います。
夕方には、私も事務方を務めさせていただいた「TPP(環太平洋連携協定)に関する勉強会が、鳩山前総理や亀井静香国民新党代表ら錚々たるメンバーを含む100名以上の議員を集めて開かれました。講演者は私が卒業した東大農業経済学科の先生の生源寺真一先生、鈴木宣弘先生だったので、20年ぶりに学生に戻った気分でした。ここ数週間、実際にTPPの協定の英語の原文を読んだり、いろいろな国の大使館員やAPECに合わせて来日した要人などに話を聞いても、TPPへの参加検討の話はいかがわしさ満載です。TPPは関税撤廃の例外を原則認めない、つまりいずれすべての物品の関税をゼロにするというもので、我が国の産業構造ばかりか社会そのものを大きく変えてしまう可能性のある協定です。そんな協定への参加の意思を表明するに当たって、政府はあまりにも情報を持ち合わせておらず、戦略も考えていません。たしかに自由貿易を推進するのは我が国にとって大切ですが、TPPが日本の国益に適うのかどうかは誰も冷静に事実を下に判断していないのです。
これは深刻な問題です。私は、そのような思いで、下記の決議文の案文を書くのに関わらせていただきました。単に特定業界の利益代弁では、断じてありません。この国の進むべき道を、この政権がどのように決めようとしているのかが問われているのだと思います。
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TPPの対応に関する緊急決議
平成22年10月21日
菅総理大臣は、10月初めの所信表明演説において、「環太平洋連携協定(TPP)の参加を検討」する旨を表明した。また、現在党内の政調APEC・EPA・FTA対応検討PTでも急ピッチの検討が進められている。私たちは、貿易立国たる日本が厳しい国際競争を生き抜いていくためには自由貿易の実現を追求すべきであると考えるが、一方で我が国の安全保障、文化や社会存立の根幹に関わることなど守るべきものを守った上でのことであることを政治家は強く胸に刻まなければならないと考える。その守るべき大切なものの一つが、食料安全保障を担保するための「強い農業」の実現や、農業・農村が維持されることによる美しい景観や伝統文化・地域社会の保全である。こうしたことから、私たちは、TPPへの参加については国家戦略を踏まえた慎重な検討をすべきであると考え、APEC議長国という立場を背負った拙速な参加表明に大きな懸念を表明するものである。
以上