これを書いている今、日付が変わって3月1日となりました。まだ議員会館内にいます。今日(昨日?)は予算案を採決する日。朝から予算委員会の応援を行い、夜には中井予算委員長解任動議が出されるなどすったもんだがありました。この後、深夜2時から本会議が再開されて予算案が衆議院で可決される予定です。
先日25日には、予算委員会の分科会で、地元茨城県西地区の医療再生について質問させていただきました。お時間がある方は、ぜひとも国会中継のビデオを見てみてくださいますと幸いです。質問内容は一言で言えば「茨城県の県西地区のような、周囲と比べて医療崩壊の度合いがひどく、かつ市民病院の再生のような改革を行う意思があるところに、政策の重点投資をすべき」というものです。公立病院の再生のためには総務省の改革プランがあり、地方交付税による措置があります。厚生労働省においても、さまざまな地域医療のための基金、交付金等があります。しかし、それらは省庁縦割りであったり、さまざまな条件が付与されていて使い勝手が悪かったりします。政治主導を標榜する政権なんだから、やる気のあるところには柔軟にかつ重点的に対応してほしいということを訴え、勤務医出身の岡本厚生労働政務官、北海道ニセコ町長出身の逢坂総務政務官からそれぞれ心のこもった前向きなご答弁をいただきました。私自身も引き続き強く働きかけてまいりますので、ぜひとも茨城県や地元の市においては国の制度をフル活用して、地域医療再生のために工夫をしていただきたいと思います。
ビデオをご覧になっていただければわかりますが、岡本政務官、逢坂政務官ともに自らの経験と専門知識に基づき、自らの言葉で丁寧な答弁をされました。私は役人時代からずっと国会に関わってまいりましたが、官僚答弁をほとんど入れずに、政治家同士で実質的な議論ができる委員会審議というのは、政権交代がなければ実現しなかったものだと思います。質問をしながら「国会審議もずいぶん変わったな」と感慨深い思いに浸っておりましたが、このような分科会での議論というものはマスコミでは注目されることもありません。
最近の政局をみると腹が立つことも多いかと思います。あるテレビ局の幹部は、最近は政治のニュースになるとてきめんに視聴率が下がると言っておりました。私は、ぜひとも国民の皆さんに、政権交代してよかったこと、悪かったことを冷静に「仕分けして」考えていただきたいと思います。確かに今の菅政権の政権運営は胸を張れたものではありません。私は、昨年の夏の参議院選挙の敗北によって衆参の「ねじれ国会」になった時点から、鳩山政権のような「言えば何かができる」という政権運営のスタイルを大きく変えなければならないと考えておりました。すなわち、一つ目には党内の結束が大前提であること、二つ目にはねじれ国会を解消するための野党の切り崩しに全力を上げること、三つ目には政治主導の政権運営の実現という大黒柱を守り抜くことを行うべきであり、個別政策というのはそれらをクリアしない限り何ら実現しないということです。それ故、私は前回の代表選挙において、特定のグループを排除する意思があり、「パーシャル連合」などという実現するわけのない国会戦術を説き、自民党政権時代以上に官僚が跋扈している菅政権の継続に「ノー」という選択をしたのでした。少なからぬ皆さんから厳しいご批判の意見もいただきました。でも、「そら見たことか」という思いも、今はないかといったら嘘になります。
最近、夜な夜な菅総理退陣をにらんだ会話が、あちこちでなされております。「菅さんは3年間は解散しない、って言っていたから支持したのにどうなっちゃうんだろう」と浮き足立った話も聞きます。前回の代表選挙で菅総理を支援した議員から、そのような話が出るのには、大いに違和感を感じざるを得ません。菅総理の示した政権運営のプランと政策を支持したからには、時には諫言もしながら徹底的に支えるのが政治家としての筋なのではないでしょうか。私は、消極的ではありますが、菅政権をお支えしたいと思います。「消極的」という意味は、TPPにしても、消費税の検討にしても、国会対応にしても、私は菅政権の方向とは異なる考えを持っておりますが、「菅下ろし」などという醜い政局争いをするのではなく、総理が間違えていると自分に思われることには堂々と反対の論陣を張ることによって支えるということです。総理がやろうとしていること、今の政局への対応に賛成できることはあまり多くありません。でも、私の心の中の1%くらいは、行き詰った時にちょっとでも自分の考えを聞いて気づいて変わってくれたら、という願望はあります。なぜなら、もう一度政権交代の原点に立ち返ってほしいという思いと、冒頭に申し上げた予算委員会の分科会にみられるような、これまでの自民党政権では決してありえなかった政権交代の果実を、しっかりと守っていきたいからです。
もう政権交代への期待は、すっかりと褪せきってしまいました。もしかしたら国民の皆さんの政治に対する思いも、冷め切っているのかもしれません。でも、報道されることはあまりありませんが、民主党内では多くの優秀な議員たちによる質の高い政策論議が毎日あちこちで行われていて、永田町の政治文化というものが着実に変わりつつあるということも事実です。民主党だ!自民党だ!内閣総辞職だ!解散総選挙だ!と政局に熱くなったり、浮き足立つ前に、この新しい変化の芽を、それがたとえ小さなものであったとしてもどうやって花開かせていくのか、ということを一緒に考えていただきたいと思います。