福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

不信任案否決

 皆さん報道でご存知のとおり、今日の本会議で野党から提出されていた菅内閣不信任案が否決された。昼に開かれた代議士会において、鳩山前総理が菅総理の早期退陣を約束してきたことが、昨日までの大量造反の予想とは異なる結果となったが、私は昨日までに青票(不信任案に反対)を入れることを決めていた。

 今回の震災と原子力災害における菅内閣の対応は、決して胸を張れるものではない。被災地の与党議員として、忸怩たる思いを何度もしてきた。その原因の一つが、官邸がきちんと官僚組織を活用し、適切な政治的判断をできていないことにあるのは確かだ。また後先を考えない稚拙な「政治決断」が一層の混乱を招いている側面もある。それでも、私は被災地の与党の議員として、この間地元の要望や必要なことを政府に伝え、交渉してきた。多くのことは時間はかかったものの、実現をさせてきた。そうした意味では、この政権に加わってきた自らの責任もある。したがって、野党の提出する不信任案に賛成するということには、正当性と大義が必要だ。

 仮に、菅政権が二次補正予算を早期に編成するつもりがないとか、復興基本法の内容が不十分だとか、東電の賠償支援スキームが出鱈目だとか、ドサクサ紛れの増税を決めたなどの被災地の復興・復旧の足を引っ張るような決断をしたのであれば、不信任に賛成する大義がある。あるいは、原発事故の初期動作において、総理の決定的な判断ミスが明らかになるのであれば、責任を取っていただかなければならない。しかし、今週の復興特別委員会における審議や昨日の党首討論の議論では、そのようなものはまだ出てきていない。むしろ、本日の自民党の大島副総裁の提案理由説明をお聞きになればわかるように、菅総理の後をどのような政権運営をするのかの青写真やビジョンはまったくなく、自民党公明党の単なる党利党略、政局作りでしかない。したがって、私は不信任案への反対を決断した。

 本来であれば本日の本会議では、総理のサミット報告を聴取し、復興関連も含めた法案の採決をすることになっていた。しかし、2時間半も党利党略、政局のための政局の不信任決議案に時間を費やし、一体このような国会を国民の皆さんはいかなるものに思ったであろうか。私は、決して菅内閣を評価し肯定する者ではない。ただ、今週の野党の国会審議や本日の提案理由説明や不信任案の賛成討論を聞いていると、およそ野党には大きな危機にあるこの国を、被災地を復興させるための決意や気迫はまったく感じられなかった。現に多くの若い自民党議員は、自党の議員の発言の間うんざりしたように頭をたれているか、寝ている者すら多かった。そこにあるのはただ、不適際の多い官邸につけこんで、権力を奪い取りたいという策略だけだ。民主党もダメかもしれないが、自民党はもっと堕落している。

 今は政争をしている時ではないが、今回の一連の不信任案をめぐる動きで菅政権は確実に死に体となっていくであろう。他党に乗じて権力を奪い取るのではなく、党利党略、派利派略を超えた新しい政権構造を作るために、今日から必死になって与党の中から取り組んでいかなければならない。幸い、多くの若い議員の意識は健全だ。この間、自民党公明党みんなの党などの他党の若手議員とも腹を割って話をしてきた。同じ思いを持った議員が日本のために思う存分はたらける、そんな政治を作るために行動してまいりたい。