福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

民主党の代表選挙

 いつまで続くのかと思われた今年の暑い夏も、お彼岸を過ぎてめっきり秋めいてきました。今晩久しぶりに家で食事をしましたが、支援者からとどけられた新米をいただきました。茨城の新米は本当においしい。実りの秋を実感しました。さて、民主党の実りの秋の代表選挙はどうであったのか。

 前回のブログでも記載した通り、私は野田総理に対抗する候補者の一本化に向けて「真実の会」の仲間とともに水面下で奔走してまいりましたが、未熟で能力不足ゆえうまくいきませんでした。ただし、野田総理政権運営がどうのこうのという問題以前の問題として、今の政権は次のような状況にあります。まず、先の通常国会の会期末に参議院で問責決議案が可決いたしました。これまでの憲政史上、一つの院で否定された総理や大臣が次の国会を無事迎えられた例はありません。ましてや参議院は代表選中の離党者によってあと一人離党すれば第二党に転落するところにありますから、与党の考えるような国会運営ができる可能性は今後ほぼありません。あれだけ多数をもっていた衆議院でも、あと9人離党すれば与党過半数割れですから、そうなればたちどころに内閣不信任は可決してしまいます。このような国会環境で、赤字国債の発行を担保とする特例公債法案や外交案件を審議していかなければならないのですから、野田総理続投という選択肢はないのです。代表選挙を通じて解党的な出直しをしなければならないのです。私は、そのように考え、今回の代表選挙で「野田佳彦」と書くことはできませんでした。

 このような最後のチャンスとの危機意識は、残念ながら党内では多くの仲間で共有するものとはなりませんでした。この間多くの同僚議員と話しましたが、「野田総理ではダメだけど民主党政権になって4人目の総理大臣を生むわけにはいかないし」とか「どうせ何をやったって仕方ない」という退廃的な雰囲気が蔓延しておりました。臨時党大会における中野寛成選管委員長のあいさつも、野田総理の演説も、ダジャレを交えたものでこの国の危機を感じない気の抜けたビールのようなものでした。結局のところ、昨年と今年の2回の代表選挙を通じて、野田総理東日本大震災からの復興も原子力災害の終息も一度も同僚議員の前で自らの思いを語りませんでした。ここに野田佳彦という人間の本質が垣間見えます。ましてや今や尖閣列島をめぐって日中関係が緊迫し、戦後67年目にしてはじめて武力衝突すらありうる状況で、民主党自民党の二大政党の内向きの党首選挙でのお祭り騒ぎをやっている余裕はないはずです。いざ武力衝突となって時、あるいはそれを未然に防ぐために必要な法制度は、戦後の泰平の世の中であまりにも不備のものがあります。しかし、先に述べたような国会の状況中では、こうしたことに対応するすべもありません。

 こうした現下の状況と、国民の意識との差が、今回の代表選挙における党員・サポーターの投票率がたったの33%であったという事実に表れているように思います。あまりにも目先ばかりを追い求める政治、あまりにも危機感がない政治、政治家が自らの身を守るばかりのあまりにも情けない政治。今政治がやらなければならないのは、このようなことではないはずです。「何とかしなければ」という思いばかりが空回りして、もどかしい思いをする秋です。

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