福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

官邸官僚

○普段古賀さんの言っていることは浅薄で首をかしげるようなこともあるし、「改革派官僚」と言われる割に経産省で何を「改革」の仕事としてやったのかあまり印象がないが、この記事には共感する。

【私は官僚を三つのタイプに分類している。まず、国民のために自己犠牲を厭わない「消防士型」。これは絶滅危惧種になっている。次に、食いっぱぐれのない安定した生活があればよいという「凡人型」。これが多数派だ。そして、第3のタイプとして、「中央エリート官僚型」がいる】

 官僚の名誉のためにも言っておくが、私が経産省に在職していた時は、夜中にソファーでウィスキーの水割りを飲みながら天下国家を語る「消防士型」の先輩が結構いた。そうした人からは、哲学や歴史、文学の素養がない単なる受験秀才は、馬鹿にされた。

 その一方、権力を操ることに快感を見出す「中央エリート官僚型」も多く、そちらの方が役所の中の出世の道を歩むことが多かったことも、確かだ。

【そんな彼らにとって、出来の悪い総理に取り入り、自分たちが描いたシナリオで動かすことができれば、自分たちが日本国を支配していると日々実感できる。究極の「俺は偉い」感だ。それが目的になれば、政策が実現するかどうかとは関係なく、とにかく総理が総理でいてくれることが最重要課題になる】

 ということになる。私が小泉内閣内閣官房にいる時に、民主党から出馬するということを経産省の大幹部に伝えたところ、「君は何で選挙なんかに出るんだ。お金を使って人に頭下げて、ましてや野党から出馬するなんて、気でも狂ったのか。もう小泉内閣は、君の言う通りに動いているじゃないか。何が不満があるんだ。政治家が馬鹿で選挙民へのサービスしか考えていない自民党政権である限り、僕らが国を動かせるんだよ」と言われた。

 私は、「そんな国だから、日本はこの20年間ダメなんじゃないですか。役人生活で、すべての日本の限界は政治の無能にあると実感した。10年かかってでも国会に行って政治を変えて見せます」と啖呵を切った。このときのやりとりは、今でも昨日のことのように覚えている。それから10年以上、想像以上の苦心惨憺の人生を送っているが、初志は変わらない。

 よく「自民党から出る枠がなかったから民主党で出たんだろう」と言われるが、自民党から出馬するくらいなら選挙には出ない。官邸官僚になって、国を動かしている気分を満喫していたことだろう。ここまで人生苦労をしながら政治に携わっているのは、純粋に政治を変えなければ国が衰退するという憂国の思いからだ。自分は「消防士」であるつもりだ。

 野党の現職の皆さんの最近の動きを見ていると、果たしてどこまで自ら「消防士たらん」と思って政治家をやっているのか、とも思わざるを得ない。原発がどうの、憲法がどうのと講釈を垂れる前に、「この国の権力構造を今すぐにどうするのか」というリアリティを示さなければ、あらゆる言動は力を得ないのではないか。

 私自身は、今そんな生意気なことを言える立場ではないが、つい絶望的になってしまう今の日本の政治の状況を少しでも切り開く力になりたい。

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