福島のぶゆきアーカイブ

これまでにWebで公開したものの記録です

大学への数学

〇『大学への数学』、懐かしい。兄弟誌の『高校への数学』を中2で購読して以来、愛読してきた。息子にも買ってみたが、あっという間に本棚の肥やしになってしまったようだ。

 後ろの方のページにある「学力コンテスト」はちょっとやそっとで解けない良質の難問で、締め切りまでに解こうとウンウンと毎晩考え続けることが、私にとっての知的なトレーニングになった。学校の勉強は全くしなかったが、ここで年に何度か高得点者として名前が掲載されるのが誇りだった。

 難問の回答は、ちょっとした補助線一つで解決したりする常に美しいもので、それは表面に見えている事象の裏にある論理の美しさを現わしている。大人になってみると、それは現実の社会でも同じことであることに気付く。現代のネット社会では日々いろいろな情報が飛び交うが、その裏にある論理を抽象化して解析する能力は、数学の難しい問題を考える過程で身につくものである。

 「数学なんてやっても社会で役立たない」、そのような声も時々聞くが、数学的思考ができない者は目の前の事象に振り回されがちであるように思う。現実の経済の議論をしていても、四則演算程度しか数学の素養がない人の議論は、「財政赤字が膨らんだから、増税せよ、歳出をカットせよ」といった程度の浅薄なものになりがちだ。

 私の思考の基礎を作ってくれた『大学への数学』に感謝したいし、将来を担う世代にも数学の素晴らしさを味わうことができるような教育の機会が与えられるようになることを望みたい。

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