〇衆議院の政治改革特別委員会の調査団として、石田真敏委員長以下与野党5人の議員でドイツの首都ベルリンに来ています。今日は、二大政党の財務責任者からそれぞれヒアリング。
野党のキリスト教民主同盟(CDU)では、メルケル前首相の秘書だったキューン氏から、2000年代初めに日本と同じように「黒いスーツケースに入った献金」問題と言われたCDUのコール元首相の闇献金問題を契機に、政党法を改正して政治資金制度の透明化が図られたとの説明。ドイツの政党助成金は、党費や献金などで集めた自己資金以上の額は交付されないため、企業献金も含め積極的にファンドレイジングを行っているとのこと。党本部には、献金申込者と面談するバーのような部屋もあり、まるでベンチャー企業の本社のよう。
与党の社会民主党(SPD)では、財務責任者のロドリグエス氏等から、ドイツの政党助成制度を受けて、企業献金は自ら募集せずできる限り党の理念に共感する人に党員になってもらって党費で賄おうと努力していると説明。ドイツ最古の政党のSPDは多くの資産を持ち、その運用などからも資金を得ているとのこと。党本部は、SPDから初めて首相となった党の精神的支柱のブラント氏の名前が冠せられ、多くのアートが並ぶ建物はまるで美術館のよう。二大政党の違いは、建物にも如実に表れています。
ドイツでは候補者本人は選挙資金を一切自ら集めてはならず、完全な政党選挙となっています。したがって、政党のあり方が極めて重要で、政党本部の資金、政党支部の資金、議員本人の資金が厳格に区分され、日本のように議員本人の政治資金と個人のお金(裏金)が混在しえない制度となっています。政党に対する外部監査をしっかりとやれば日本のような政治家個人の裏金問題のようなことは起きえず、連邦議会事務局もしっかりと政党の政治資金の監視を行っている、と両党とも言っておりました。
政治制度や政治文化が異なるため、単純にドイツの制度と日本の制度の是非を比べることはできませんが、問題点を常に修正しながらそれなりに合理的な制度を作っていることを確認いたしました。明日は、その連邦議会事務局や連邦内務省から、法律の運用面についてヒアリングを行ってまいります。「百聞は一見に如かず」。臨時国会以降の、政治改革の議論に生かしてまいります。
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