福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

デジタル社会における憲法問題

〇憲法審査会で初質疑。デジタル社会における憲法問題について、参考人の日本インタラクティブ広告協会(JIAA)、山本龍彦慶應義塾大学大学院教授に対して質疑をいたしました。質疑の模様は、下記のリンクからご覧いただけます。10分間の短い動画ですので、ぜひご覧ください。


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 JIAAに対しては、「インターネット広告」はテレビや新聞の広告が限定された電波や紙面を宣伝のために有料で提供するというものに対して、無限定な空間のあるインターネット上で情報を拡散するという全く違う性質のもので、たとえ有料広告を規制したとしても無料で同種のものを広げることができ、規制を行うことなどできないのではないかということを聞きました。

 デジタル化によって、個人の怒りや憎悪といった負の感情をあおって人間の無意識にまで働きかけを行い、個人の認識そのものに影響を及ぼす可能性があります。憲法第19条では、「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」と規定されていますが、デジタル技術によって無意識のうちに思想の自由が侵されている可能性があるのです。

 西欧文明が近代化の過程で生み出した憲法や立憲体制は、自立した個人がいて、それらの人間が集まって作り出す国家や権力とその個人の権利をどう調整していくのかを憲法で規定し、憲法の制定そのものに個人が関与する民主制によって、ガバナンスがなされる仕組みになっています。しかし、GAFAに代表されるメガ・プラットフォームは、国家権力の及ぶものではなく、個人が関与することもできません。そうした中で、デジタル化が個人のあり方、人間存在そのもののあり方、国家のあり方を根本的に変容しつつあります。

 山本先生には、そうしたことを受けて、近代化の元祖の欧米ではどのような議論がなされているのかを問い、憲法という概念そのものを根本から問い直さなければならないのではないかという本質的な議論を行いました。たった10分間(各会派平等)の時間ですので、さわりだけしか質問できませんでしたが、今後憲法を論じるにあたっての重要な論点であり、議論に当たっては法律論だけでなく技術論、哲学など広範な知識と教養が必要となることだと考えます。私も、さらに研究を深めてまいります。