〇一昨日国会では、武文賞(ボー・バン・トゥオン)ベトナム社会主義共和国主席の演説が行われました(本会議場の写真は衆議院のホームページより)。今年は、日越国交樹立50周年の年になります。なんと武主席は、私と同い年。苛烈なベトナム戦争から立ち上がり、政権の腐敗を乗り越えて経済成長を成し遂げ、貧困率は1986年の50%から2022年の4.3%まで飛躍的に減少させ、2030年までには先進国になるという自信に満ちた演説でした。
演説では、8世紀にベトナムの僧侶仏哲(ファット・トリエット)が奈良の大仏開眼供養に訪れたことから、16世紀の朱印船貿易、日本人商人荒木宗太郎とゴックホア姫のご縁、ベトナム独立の志士の潘佩珠(ファン・ボイ・チャウ)とそれを支援した浅羽佐喜太郎医師の友情など長い日越交流の歴史が語られました。
【ベトナムと日本は同じ稲作文明を持ち、自然の厳しい試練や壊滅的な戦争を乗り越えなければなりませんでした。そこから、私たち両国民には立ち直る力、不屈の精神、勤勉さ、行動力、想像力、地域と家庭の調和を大切にする価値観、忠誠心、感謝の心、祖先への尊敬、親孝行を持ち、真善美に向けて人格を磨こうとする性格ができました。ファン・ボイ・チャウ志士はベトナムと日本について「同文、同種、同州」だと言っています】
私は、ベトナムには3回しか行ったことがありませんが、約30年前に山奥の少数民族の村で少年たちが「英語を教えて」と群がって来たことを覚えています。その澄んだ瞳の中にある逞しい向上心を見て、この国は必ず発展することを確信いたしました。武主席がおっしゃるとおり、近いうちに必ずや先進国へと発展することでしょう。日本もいつまでも停滞の惰眠を貪っている場合ではありません。私も、日本とよく似たベトナムとの友好関係の強化のために尽くしてまいります。
演説を聞く前には、赤坂のベトナム料理屋で潘佩珠の故郷フエの料理であるブンボーフエをパクチー追加で美味しくいただきました。