福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

参議院選挙が終わって・・・

今回の参院選民進党が支持を回復をする途上と評価したり、野党連携が成功したと評価する向きもあるようであるが、私はそうは思わない。今回の獲得議席は、連合をはじめとする支援団体や地方議員の皆さんなどの組織が危機感を持って頑張っていただいて獲得したものであり、伸び代は少ない。現に、30代、20代、10代と若くなるほど民進党の支持率は低くなり、投票に行った無党派層での支持率でも自民党とほとんど変わらず、何よりも投票に行かなかった無党派層は、自民党以外に投票したいのだけど入れたい政党がないというのが実情であろう。地元で聞いて回っても、安倍政権を積極的に支持する人はあまり見かけないが、だからといって民進党を支持しようとする気にもならない人が数多くいる。

 「アベノミクス反対、憲法改正反対、3分の2を取らせるな」と目くじらを立ててアンチの訴えばかりをしているように国民に思われると、普通の国民にとっては近づきがたい政党になってしまう。たとえば、これまでもサヨクがやってきたように「憲法改正=平和の破壊、護憲=平和の擁護」という紋切り型のキャッチフレーズは、もう私...が子供の頃から欺瞞的な訴えだということは国民は直感的にわかっている。現にそう訴えていた社会党は、存在しなくなった。私は、立憲主義を守る限りにおいて、憲法は改正すべきところは改正すべきであると考えているし、議論に値する改憲案がいずれかの政党から出されるのであれば、真剣に議論し場合によっては賛成をするのは政党として当然のことであると考える。もっとも、自民党改憲案は立憲主義という観点から論外のあまりも反知性主義的奇天烈のものであるが。

 経済政策についても、昨年岡田代表から当時の細野政調会長マニフェスト策定に向けた素案を作れという命が下って、私や何人かの優秀な若手議員が何晩も夜を徹して議論をして「人間が中心の成長戦略」(下記参照)というものを昨年末に岡田代表にレクチャーしたが、とうとう代表にはご理解をいただけず「成長戦略は自民党と一緒でいいんだ!」というお言葉に思わずのけ反ってしまった。結果として、安倍政権が消費税増税を延期した途端に「アベノミクスは失敗した」と言っても、国民から見れば「じゃあ、あなたは何がしたいの」ということになってしまうだろう。

 私は、今民進党が行わなければならないのは、「野党連携をすべきかどうか」という選挙のタクティクスの話ではなく、民進党は一体何の党なのかという党としての立ち位置をもう一度明確にすべきことであると考える。党の綱領を全議員で議論した時も、今の党の綱領はどのような時代の下での、どこの国の政党の綱領か時間軸、空間軸のない抽象的すぎるものだということを、私は主張した。民進党民主党ではないのだから、もう一度この時代の中で、日本の中でどのような役割を果たす政党なのか、訴えるべき理念を一から明確なものに整理し直すべきであろう。そして、当選期数にとらわれることなくその理念を体現した人物をリーダーとして打ち立てるべきであろう。政治とは、抽象的な理念や政策によって国を動かすものではなく、そのような理念や政策を体現した政治家の言動が国民の支持を得て動かすものであるからだ。

 これから始まるであろう代表選挙までの間、民進党がどう生まれ変わることができるか、仲間の議員たちといろいろ対話を重ねてまいりたい。それが、民進党のためではなく、この国の政治を堕落させないために必要なことだと信じて。

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【人間が中心の成長戦略(総論)】

≪従来の「成長戦略」≫
・これまでの約20年間、産業(サプライサイド)分野別に政策資源を投じる「成長戦略」の下では経済成長を達成できず。一人当たりのGDPは世界3位から20位台後半に。
・経済成長ができないから配分ができない、すべてに配分する余裕がないからまずは富める者が富むという「トリクルダウン」理論は、すでに破綻。
規制緩和で競争を生むということは、特定の企業にレントを生むだけで、国民経済の豊さにはつながらず。
・金融政策や公共事業などの短期的マクロ経済政策と中長期の経済構造政策が混在・混乱していて、本質的な経済構造改革を実現できず。肝心の日本企業の行動が、高利益構造・的確な投資に転換せず。
○「人間のための経済」の政策ではなかった。

≪新しい「成長戦略」≫
・成長の担い手たる「日本企業」の行動自体を、高利益構造、人間を幸福にする投資に向かわせるための政策を行う。
・「貿易から投資へ」。グローバルな市場、国内の地域経済それぞれを投資によって開拓し、日本らしい新たな価値を創造していくような政策を行う。
社会保障を経済成長のコストととらえたり、「成長か分配か」の二元論でとらえるのではなく、次世代に価値を増幅させるような分野に重点化する成長のための社会保障政策を行う。
○「人間が中心」の成長戦略に。

(以下略)

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