〇有志の会の同志、緒方林太郎君の政策活動費に関する論考。この問題に国会で火をつけたのが、緒方君です。
「政策活動費(政党が政党幹部個人に渡しているおカネ)」なるものについて、与野党とも「渡切り」を止めさせることを以て「禁止」と銘打っています。「何言ってんだろ?」というのが感想です。説明したいと思います(以下、小難しくて申し訳ありません)。
まず、今の政治資金規正法では「(政治家)個人」に対して寄附をすることは基本的にダメなんです。それの例外扱い化していたのが、この政策活動費です。ここを押さえてないとおかしな議論になります。
そして、これまで各党でやって来た「政策活動費」は、寄附なのか、債務の履行なのかという根本の問題があります。私の見立てでは、自由民主党は債務の履行と捉えていると思われ、野党は寄附扱いなのかな、と思います。つまり、同じ「政策活動費」という用語でも、その性質について見解が異なっているということです。ちなみに単なる債務の履行なのであれば、政治資金規正法上、幅広い支払行為が含まれるものであり、政治資金としての規制は大したものがありません。
その上で、政党が政党幹部個人に対してカネを渡す際、(今回の野党7党案のような形で)渡切りさえ禁止すれば、不透明な慣行はなくなるのかというと、それが債務の履行との位置付けなのであれば、渡し切らない形で継続することは大いに可能なはずです。政策活動費という名称はなくなるかもしれませんが、委託費、渉外費、会合費みたいな名称で「(債務の履行と位置付けられた)政策活動費的なもの」は残ります。要するに、何に使ったのかがよく分からない形で、政党が政党幹部個人にカネを渡すルートは残るということです。
野党7党案では政策活動費的なものはなくならない、むしろ、「渡切り」という債務の履行の中の極めて特殊な部分だけを禁止するだけで、それ以外を大っぴらに認めることになる、ということを福島伸享議員と私で懇々と説明したのです。なんで分かってくれないんだろうか?、と福島議員と二人で首を傾げているのが現状です。
(裏側から見ると、その政党幹部個人が受領したカネが真の意味で政治活動に使われているのであれば、所得税法上の必要経費となり非課税なのですが、その可否を判断し得るくらい詳細な使途公開を求める方が解決策としては良いのだと思っています。)