
〇挨拶回りの途中に時間ができたため、水戸の精神的な聖地でもある常磐共有墓地に。藤田幽谷・東湖先生のお墓、桜田門外の変のリーダーである関鉄之助の墓、天狗党の挙兵で処刑された水戸藩殉難志士の墓などにお参りしました。

先日、高市首相が組閣に当たって法務相と男女共同参画相に「旧氏の単記も可能とする基盤整備の検討を進める」と指示を出した旨の報道がありました。
これまで結婚後の姓と併記だったのが、住民票やマイナンバーカード、運転免許証などの公的証明書で婚前の姓の単記ができるとすれば、公的書類に記載されるのは婚前の姓だけになりますから、これは事実上の夫婦別姓でしょう。
制度の詳細はこれから検討されますが、家族関係などを記録する戸籍だけが夫婦同姓となるのでしょう。戸籍制度そのものをなくしたい特定のイデオロギーの勢力は反対するのでしょうが、戸籍は原則第三者にはわからないものですから、すべての公的証明書を旧姓単記にすれば夫婦別姓制度の導入と同じことです。そして戸籍自体は、相続などに際して家族関係を確認する形式的な記録となっていくことでしょう。

私は、夫婦同姓が日本の伝統だとか、家族の一体性を守ってきたなどという「神話」は信じておりません。むしろ、似非保守を見分ける一つのベンチマークだとも思っております。現に、藤田幽谷・東湖先生のお墓をみればわかるように、右にある幽谷先生の夫人墓には「藤田夫人丹氏墓」、左にある東湖先生の夫人墓には「藤田夫人山口氏墓」と刻まれています。関鉄之助のお墓の隣にあるのも「關(関の正字)夫人谷萩氏之墓」。周囲にある水戸藩士のお墓は、だいたい同じです。民族派が崇敬する藤田幽谷・東湖先生や桜田烈士が、サヨクだという人はいないでしょう。藤田家や関家に、家族の一体性がなかったりそれを軽視していたということもないでしょう。


これまでそのように主張してきた高市支持派は、今回の高市首相の関係大臣への指示をどのようにとらえるのでしょうか。見ものです。私は、高市首相の関係大臣への指示については、基本的に賛同します。ただ、夫婦同姓の戸籍と婚前の姓の単記ができる住民票等の公的証書をどのように結びつけるのか、単に婚前の姓の単記だけを定めれば原則夫婦別姓に進んでしまう可能性があるのではないかなど、立法技術的には難しいものがあると思われますが、解決方法はあるでしょう。今後国会で、左右の特異なイデオロギーや「神話」を排した、冷静で緻密で論理的な議論が行われることを期待します。