あわただしかったお盆も過ぎ、田んぼの稲はひと雨ごとに大きく膨らんでいきます。高校生の頃までは、夏の甲子園が終わって、灼熱の太陽に光の下に一陣の涼しい風を感じると、「もう夏が終わっちゃうのか」と妙に寂しい思いをしたものですが、大人になった今は、自転車を漕ぎながら稲穂が波打つ田んぼを眺めていると、「あー日本人に生まれてよかった」と実感をいたします。
県西地域の農家の庭や門前には、戦没者を慰霊する立派な石碑が立っているところが多くあります。座敷に上がらせていただくと、軍服を着た遺影を飾ってある家も多くあります。一軒一軒地域を回っていると、先の大戦でいかに多くのお宅から兵士を送り出し、悲しい思いをされたのか、ということを改めて実感いたしました。出征先で命を落とされた方が、どんなにこの故郷の美しい田んぼの姿を見たかっただろうか、ということに思いを馳せたとき、お年寄りばかりで活気のない今の農村のあり様がこんなことでよいのか、ということを深く考えさせられます。
臨時国会の開会時期を巡って政局がめまぐるしく動いておりますが、目先の政治騒動を横目に眺めながら、一体今何を守らなければならないのか、政治を志す根本を再確認しております。