〇本日の国土交通委員会では、まず昨晩から今朝にかけての山手線の運休に触れながら、これまで委員会で指摘してきたとおり、JR東日本の経営体質自体を鉄道事業法に基づく特別監査しなければ、とんでもないことが起こると大臣に忠言いたしました。
その上で、羽田空港での古賀誠氏長男への不適正な利益供与には、古賀氏が運輸大臣だった時と運輸省からの天下り社長からプロパー社長に代わった時が関係ある可能性を指摘して、国土交通省になってほとんどが公明党の大臣である間に、旧運輸行政が官僚と旧運輸族の天国になってしまっている可能性を指摘しました。この問題に対しては、「さわらぬ神に祟りなし」と役所も大臣もなぜか関わりたくないような姿勢を示しています。
次に海上保安庁の職員が減少に転じたという報道を受けて、海上保安庁の職員確保策について、宮澤海上保安庁次長と中野国交相と議論いたしました。尖閣諸島周辺の緊迫した情勢等を受けて、海上保安庁の予算や定員は毎年増やしていますが、いくら新しい艦船を作ったところでそれを担う人材が入らなければ、意味がありません。今や中国海警と物量戦・持久戦の様相を示している中で、実効支配が少しでも崩れれば東アジア全体の安全保障の危機となってしまいます。この点に関しては、中野大臣から「前例のない対応をやっていきたい」という決意をお聞きして頼もしく思いました。
そして委員会の最後に、苦境にあるトラック業界の業界構造を改善するための法案が議員立法によって起草され、全会一致で可決されました。私は、トラック業界が抱える多重下請構造や過当競争による低価格などの問題に対応するため、これまでの新自由主義的競争政策から抜本的に政策を転換すべきことを訴えてまいりました。しかし、お役所ではこれまでの政策の流れを変えることはなかなかできません。
そこで、全日本トラック協会の坂本克己会長の強力なリーダーシップの下、かつて内閣官房構造改革特区推進室で席を並べた自民党の上野賢一郎衆議院議員が中心となって、私も微力ながら久しぶりに一緒に仕事をして法案を取りまとめ、各党会派を十分な根回しをした上で、この法案を可決することができたのです。この法案では、トラック運送事業の許可について5年ごとの更新制を導入することによって、不適正な事業を行う事業者等を排除して過当競争を防げるようにしています。また十分な労賃も出ないような適正原価を下回る運賃での取引を禁止し、さらに三次下請け以上の多重下請けを制限する規定を設けています。このような前例にとらわれない実効性のある法律を作れることが、議員立法の醍醐味です。
法案が可決した後、坂本会長とがっちり握手をいたしました。これらの審議の模様は、YouTubeからご覧ください。