〇元NHK会長で故郷の先輩でもある、故海老沢勝二さんの葬儀が上野の寛永寺輪王殿で行われたので、参列してまいりました。

海老沢さんは、茨城県潮来市出身。いうまでもなくNHKの大物会長として、マスコミだけでなく政界・財界・官界・スポーツ界に幅広い人脈を誇り、「エビジョンイル」と週刊誌で書かれるほどの実力者でした。私がはじめてお目にかかったのは、初当選前の2007年頃、ある水戸の経済人の隠れ家のような場所で。NHK不祥事で会長を辞任した後のことでした。
かつて私の妻はNHKの看板番組のニュース7で、初の民間からの女性気象キャスターとして出演していましたが、私が海老沢会長の地元の茨城から、しかも野党候補として出馬することになって、政治部系の幹部が忖度して降板することとなりました。今でも妻にはこのことで頭が上がらないのですが、はじめて海老沢さんにお会いした時そのことをお話したら、「ワハハ」と豪快にお笑いになって、「俺に直接言ってくれればそんなことするわけないじゃないか」とおっしゃいました。
「エビジョンイル」の実際の姿は、懐の広いとても面倒見のいい方で、2012年に私が3度目の落選をしてからは、茨城県出身の東京の経済人の会を作ってくれて、年に何度か酒席を共にすることとなりました。その会の本当の目的は私を知事選に出すことだったのですが、私には一切その気がないことを明言しているにも関わらず、折に触れてさまざまなご指導をいただきました。国会に戻ってからも、根っからの政治好きの海老沢さんは、予算委員会でのやりとりなどを見て直接電話を掛けてきてくださる時もありました。
「毀誉褒貶」とは言いますが、私が接した海老沢さんは週刊誌の報道などとは違う、最近の日本にはあまりいなくなってしまった豪快で、繊細で、優しくて、私利私欲のない大人物。まさに巨星堕つです。ご冥福を心よりお祈りいたします。


寛永寺に行ったついでに、裏手にある谷中墓地の徳川慶喜公の墓所と所縁のある清水徳川家の墓所にもお参りしてまいりました。斉昭公を源流とする両家とも、このままいけば男系は断絶。江戸は遠くになりにけりです。