〇いわゆる副首都法案(正式名称:国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律案)が衆議院を通過しました。改めて法案の条文を1条1条読んでみると、あまりにも出来が悪くて、成立させるべきクオリティの法案ではありません。この法案の中身について、辛辣な解説をしておりますので、ぜひYouTubeをご覧ください。
この法案の目的は、第1条で大規模災害に備えて副首都を整備すると規定されています。それ自体には異論はありませんが、そもそもすでに首都直下地震対策特別措置法というものがあって、東京が首都直地震に見舞われた時の首都中枢機能の対策については、さまざまな規定がなされています。副首都というものが必要なのであれば、この法案を改正して必要な規定を追加した方が、従来の政策との整合性は保てます。
この法案では、大規模災害に備えて副首都を整備するといいながら、附則第4条で「国会及び裁判所に係る首都中枢機能の代替性の確保の在り方については、この法律の趣旨及び内容、国会及び裁判所の地位及び権能等を踏まえ、国会及び裁判所において、それぞれ検討が行われるものとする」とされています。肝心の国会や最高裁の機能がどうなるのか決まっていないようでは、そもそも副首都たりえないでしょう。
このような新法を必要とする本当の狙いは、副首都という地位を一刻も早く確定して、この法案のあちこちにでくる産業政策上の恩典やインフラ整備の資金を得たい、ということにあります。これまで私もさまざまな地域振興立法を見てきました(そしてその多くは失敗に終わっている)が、これほど露骨で下品な法案はありませんでした。
衆議院でチームみらいが修正案を飲ませて賛成したということは、この政党が未熟で立法府で仕事をするための十分な能力を持っていないことを示しています。こうした新党は、やがて有権者に見透かされて消えていくことでしょう。きちんとした骨太な政治理念と、自力で勝ち上がれる政治家が集まった新党でなければ、澱みに浮かぶうたかたとなっていくことでしょう。参議院はそれでも過半数に達していませんから、誰がこの下らない法案にひっかかって何を取引して賛成するのかしないのか、じっくり観察しましょう。このような法案を、参議院で否決された後に衆議院の3分の2で可決させようとすれば、高市内閣は極めて弱体化するでしょう。
法案の条文ベースでの解説を行っておりますので、ぜひご覧ください。
あと、落選中は政策コンサルティングの仕事は、随時お受けしております。どなたでもご依頼いただければ、適正報酬をいただいてちゃんとした副首都法案を作ります。