福島のぶゆきアーカイブ

これまでにWebで公開したものの記録です

どうしようもない国会で申し訳ない

 今日これを書いている時点で、国会の延長をめぐる与野党間の協議が難航していて、本来1時に開かれるはずだった本会議は開かれていない。菅総理の進退が不明であるというのがその一番の障害であるようだが、本当にいい加減にして欲しいと多くの国民の皆さんは思っていることであろう。私も、正直うんざりしてきた。私は被災地の議員として、政局に絡むことは差し控えようと思っている。国会は延長すべきであるし、今政争をすべきときではない。が、国のためには、菅さんはもう一刻も早く自ら辞められたほうがよい。今、情けないことに、民主党はすべての意思決定機能がマヒしている。正論を議論して、政策を作り上げ、党内一丸となって国会論戦に臨んでいくという体制ができていない。

 昨日は社会保障と税の一体改革の議論が行われた。政府の原案では、社会保障改革は自民党時代以下の代物で、とても国民の皆さんに説明して安心いただけるようなものではない。国民の皆さんにどのような社会保障を提供するのかという観点ではなく、2015年に消費税10%にすることから逆算して作られているのだから当然だ。これこそ血の通っていない官僚主導の政策立案の典型であり、大震災の直後に増税の道を決める政治センスと相俟って、いったい政府に入っている政治家たちは何を考えているのか、およそ理解しがたい。当然党内の議論では1人を除く全員が反対。それを昨日強引に執行部が一任を取り付けようとしていたが、それはさすがにできなかった。そんなこと強引に決めたことを、与党議員の誰が国民に説明することができるのであろうか、誰が野党と折衝することができるのであろうか。何か政治とか、権力を使うことに対する決定的な認識が欠けているような気がしてならない。

 これまでにも、5月の連休前に行われた震災復興基本法案の党内議論では、党内で各省庁の縦割権限を超越した「復興庁」を作ることや、復興庁に独自の財源をつけることなどを議論してきた。なぜなら、政府が出してきたこの法案は、その名称とは異なり、あえて法律で規定する必要のないことばかりを連ねた無意味なものであったからだ。議論は数日にわたって深夜まで繰り広げられた。私も、官僚の「やっつけ仕事」感がみえみえのこの法案に対する問題点を、何度も指摘してきた。結果は強引に「一任」のとりつけ。しかし、この法案は自民党公明党の対案を受け容れて、同期で盟友である後藤祐一議員が一年生議員とは思えぬ活躍をして条文修正を行い、昨日の国会でようやく成立した。修正案は結局のところ連休前に私たちが主張してきた内容とほとんど同じであった。しっかりと党内議論をして、修正すべきところを修正し、与党・政府一体案として国会に提出していれば、もっと早くもっといい法案が世の中に出て行ったのである。党内の意思決定システムが機能していれば、本来民主党には、もっときちんと政策を立案し、実現していく能力はあるのだ。

 先日閣議決定された原子力損害賠償支援機構法案についても同様である。茨城県の農水産物被害にはまだ補償金は3月の原乳出荷制限分のたった2億円しか支払われていない。そのほかの農産物や商工業・観光業の風評被害に対する補償金はまったく支払われていない。東電の立場に立てば、無制限に賠償を支払ってしまったら現金が尽きてしまい、夏の電力需給が逼迫するときの燃料費等が捻出できなくなってしまうから、慎重にならざるを得ないというのも理解できる。だからこそ、東電に資金を注入したり、政府が東電の補償を立替払いすることを担保する法案が必要なのである。地元を歩いていると、風評被害などの影響への悲痛な声を多く聞くので、なんとしても早くこうした法案を成立させたいと思い、特に政府によるの立替払いの法案については、議員立法での成立を目指して私自身中心的な役割を果たしてきた。しかし、そうした事情を逆手に取った政府は、政府は一切傷つかず、東電を借金漬けにした上で国の管理下に置き、長期間国に返済を義務付けるような、あえてたとえてみればヤクザが多重債務者を遠洋マグロ船に送り込んで稼いだ金を搾り取るような法案を出してきた。当然この法案に対する議論は紛糾したが、東電の株価が150円台となり、市場からの退場を宣告されかねない状況の中で、強引にこれも一任となった。しかし、この法案も、中身はまったくひどいものであるため、国会での議論は難航を極めるであろう。私自身も野党との折衝において、政府案を支持することが、国や国民のためになるとは思えない。

 なんどこのようなことを繰り返さなければならないのか。この国の意思決定のやり方を根本的に改めなければ、国民は政治を見捨てることであろう。国民に見捨てられたとしても、復興のためには国会は法案や予算案を通し続けなければならない。なんと不幸なことか。政治を大きく動かすためにも、菅総理には自ら身を引いていただいた上で、私たちの手で新しい政治体制を作っていけるように、行動してまいりたい