福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

政権交代へ何が必要か

〇時事通信のこのシリーズは、とてもいい人選をしていて、どなたも極めて的確な指摘をされている。

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 第1回の中北浩爾中央大学教授は、「立民代表選は動きが極めて低調だ。中堅・若手の人材も薄く、現状は自民との差を感じさせる」として、「立民もまずは中道化が必要だ」としている。

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 第2回の当選同期でもある菅野(山尾)志桜里さんは、「候補者が泉健太代表や枝野幸男前代表のみでは変化を期待できる要素がない・・・(旧民主党の)失敗の象徴であるベテラン議員がまた表に出てくるのは組織として健全ではない。自己改革できない組織であることの表れだ」と厳しく指摘し、「「この党なら政権を任せられる」という憲法観・国家観を伝えられる代表の下で生まれ変わることができるかを見たい」としている。

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 そして、第3回の尊敬する大先輩の輿石東先生は、「まず立民は目指す国家像を明確に打ち出すことが必要だ」として、「立民は憲法を変えてはいけないというかたくなな姿勢ではなく、柔軟に対応すべきだ。例えば資源のないわが国は人材で生きなければならない。教育が大事だ。主張したいのは「義務教育を無償とする」と定めた憲法26条の「義務」を削除し、大学まで無償化することだ。財源として消費税率の1%引き上げを国民にお願いする。自公政権にできないものをぶつければ、もう一回、立民に政権を託してみようとならないか。憲法9条も1項は絶対に変えてはならないが、自衛隊明記の論点を含め、徹底的に議論したらいい」としている。

 私は、野党の役割とは、常に既存の与党にはない新しい価値を政治に生み出すことにあると考えている。残念ながら、立憲民主党は、顔ぶれも言っていることも、2012年の政権再交代の時点からほとんど変わっているようには見えず、この間政治に新しい価値を生み出したようには思われない。民主党内左派のように思われてきた日教組出身の輿石先生ですら、憲法9条第2項も含む改憲論議をすることをおっしゃっている。この柔軟さ、政治的ダイナミズムが、2009年の政権交代の原動力となっていたのだ。

 私は、立憲民主党には所属したことはないが、かつて民主党そして民進党に所属していた。代表選挙では、馬淵さん、玉木さんを中心となってお支えし、それぞれの方は代表戦を経てメジャーな政治家として羽ばたいていった。山尾さんや細野さんなども、将来のスター候補だったが、新しい芽は育てられることなく、新しい価値を生み出そうと思えば思うほど、旧民主党系の政党の枠組みから離れなければならなかった。2009年初当選同期は、多士済々だったが、今その多くはテレビの画面の中や実業界など別の世界で活躍している。そして、今回立憲民主党の代表を目指している人たちは……、若手議員たちがこぞってベテラン議員に安定を求めて出馬要請することが、いかに国民の感覚からズレているか、自覚すべきだろう。

 「今のような代表選では野党第一党としての価値はない」という危機感を持った、本質的な論戦を立憲民主党の皆さんには期待したい。