〇家族3人で、東京オペラシティでのウクライナ国立歌劇場管弦楽団のコンサートに。年末に第九を聞く風習を半ば馬鹿にしていましたが、悲惨な戦争が続いているウクライナのオーケストラの演奏ということで、何か感じることがあるのではないかと思い、受験生の息子を連れて来てみました。
1曲目の『運命』は、第一楽章は有名なフレーズの音を抑えた上品な演奏で始まりましたが、第二楽章はあまりにも繊細で流麗。映画『ひまわり』に出てくるウクライナの一面のヒマワリ畑が瞼に浮かんできました。2曲目の第九も、もちろん素晴らしい。
はたしてウクライナと世界のこれからの運命はいかに。第九の有名な『歓喜の歌』には、
【汝の威光の下
再び一つとなる
我等を引き裂いた厳しい時代の波
すべての民は兄弟となる
汝の柔らかな羽根に抱かれ】
という一節があります。オーケストラの響き渡る音色、合唱団の声に埋めつくされたホールの中で、来年こそウクライナや中東での戦争が終わってほしいと心から願いました。
息子には、受験のための勉強ではなく、本物の教養と真理を求めて取っ組み合いをする知的な力を身に着けてほしいと思います。移動の電車の中で、カズオイシグロの小説を英語で読んでいる姿を見て、いろいろあったけどすこしは成長していることを実感いたしました。