〇政治改革特別委員会で、ポスターへの品位保持規定などを定めた公職選挙法改正案の審議に臨みました。いうまでもなく、昨年の都知事選でわいせつなポスターや候補者と関係ないポスターなどが掲示されたことを受けた法改正です。議員立法なので、答弁に立つのは日頃より親しくしている公明党の中川康洋議員。正直やりづらいですね。審議の模様と反対討論は、YouTubeにアップいたしますのでご覧ください。
それにしても、この法案の出来が悪すぎる!選挙期間中の掲示板に貼られるポスターについて、「候補者の氏名を選挙人に見やすいように記載しなければならない」とか「他の政党等の名誉を傷つけるようなポスターとしての品位を損なう内容を記載してはならない」と規定しているのに、具体的に何が「見やすいことなのか」、「名誉を傷つけることに該当するのか」について、まったく答えられません。
「この法律の条文で各自治体の選挙管理委員会は具体的にどのような対応ができるのか」と問うたところ、「何らかの対応を取るのは難しい」と答弁され唖然。一体何のための法律なのでしょうか。こんな法律の体をなしていない法案に賛成するわけにいかないので、れいわ新選組とともに反対をいたしました。下記の私の反対討論を聞いて、多くの議員から「討論を聞いて本当は反対したかった」という声をいただきました。こうした付和雷同こそが、国の進む道を誤らせるのではないでしょうか。
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【反対討論】
有志の会の福島のぶゆきです。私は、衆法第9号及びその附帯決議に反対の立場から討論を行います。
近年、インターネットを利用した選挙の普及などを背景として、これまででは考えられなかったような公職選挙法の穴を利用した不適切な選挙運動が行われています。言うまでもなく選挙は民主政治の基盤であり、公正な選挙が担保されるためのルールが必要ですが、そもそも政治活動や選挙活動の実態からかけ離れた、細かすぎる不合理な公職選挙法の規制こそが抜け穴を生む元凶となっており、小手先の改正を繰り返しても意味がないと考えます。
その上で、今回の改正法案では、ポスター掲示板に掲示するポスターに候補者の氏名を選挙人に見やすいように記載せよとか、政党や他の候補者の名誉を傷つけるような「品位」を損なう記載をするなとか、はっきり言って余計なお世話です。法律の規定としてあまりにも曖昧で詰まっていません。罰則がないからいいという問題ではなく、実際にこの法律を運用しなければならない各選挙管理委員会や警察は、このようなあまりに曖昧な条文の法律を作られても、どう対応していいのか迷惑をするだけでしょう。私は、そうならないようにこの法律を運用するために必要な基準を総務省が作ることを求める附帯決議案を提案いたしましたが、与野党協議の中で拒否されてしまいました。
いったいこの法案は、誰のため、何のための法案なのでしょうか。そもそも私たち有志の会は、この法案を作った「選挙に関する各党協議会」には入っておりません。先ほど来の答弁で、「この法案の条文に基づいて行政は何らかの対応をとることは難しい」とか、「法律に書かれているから有権者が適切に判断することを期待する」とか、もはや法律の体を成していません。
近年の選挙でおかしな選挙運動があり、メディア等で大きく取り上げられているから対応しなければならない、というのは理解できます。でも、ほとんど実効性のない、法律の解釈についてのガイドラインも作成されず、現場で運用もできない法律を作って、「やったことにする」のは、立法府としてあまりにも不誠実です。選管や警察にとっても迷惑です。そのような法案のために貴重な時間を使うことは、私たちにとって耐えがたいことです。
いい加減な法改正をすれば、ある意味で賢い立花孝志さんや黒川敦彦さんは、きっとまた新たな穴を狙って選挙活動をして、立法府を嘲笑うことでしょう。法律というものは、そんなに甘いものではありません。このような与野党談合の弛緩しきった国会のあり様こそが、民主政治の危機であり、このような国会審議のあり方を変えることこそが「令和の政治改革」であると申し述べて、反対討論といたします。
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