〇本日の本会議で採決に付された「ガス事業法及び独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構（略称JOGMEC）法改正法案」に、有志の会はこの国会に提出された法案としてはじめて反対をいたしました。
この法案はロシアによるウクライナ侵略を契機に世界的にLNG需給がひっ迫する中で、
①緊急時にJOGMECが民間に代わってLNGを調達できるようにすること
②国内のガス需給がひっ迫した時に国が大口需要家に対してガス使用の制限命令等が出せること
を内容としています。
一見もっともらしい内容に見えます。電気でも同じような条項がある②については、妥当であると考えます。問題は①にあります。東京ガスやJERA、大手商社といった日本を代表する企業がガスの調達が困難なような状況になった場合、いきなり独立法人が出て行ってもガスが調達できるほど資源業界は甘くありません。
そもそもJOGMECは、十分に機能が発揮できなかった石油公団に代わってできた独立行政法人で、資源の「開発」を主な任務としております。資源の「取引」は門外漢の組織に、法律上の権限の与えても危機の時に機能するわけがありません。資源の取引は、プレーヤーたちの日常からの関係が重要であり、いきなり素人が登場してもうまくいくわけがないからです。
私たちの会派への法案説明の時の資源エネルギー庁の担当者の説明は、まったく業界のこともわからない的外れなものでした。実際に機能しないばかりか、毎年のように法律改正を行って業務を追加して何のための組織かわからなくなっているJOGMECは、このままいけば石油公団の失敗の二の舞になることは確実であるため、私たちは反対したのです。
今日の本会議では野党第一党は、すべての法案に賛成。一体ちゃんと法案の審査を行っているのでしょうか？祝日の合間の今日、通常では本会議は開きません。これだけスキャンダルが続出の臨時国会でも、政権の思うとおり極めて順調に国会日程が進んでいます。一体与野党間で何の取引があったのでしょうかね？
