福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

陳情の季節

 今年のこの時期の議員会館は、例年に増して陳情団で溢れかえっていて、日中はエレベーターは満員、議員会館の食堂にも行列ができています。かつての古い議員会館時代はこの時期の風物詩でしたが、私が国会議員になってからはこのような光景ははじめてです。自民党が二階幹事長になって、陳情を奨励しているのでしょうか。多くの団体が陳情に来ていますが、野党の私の事務所は素通りか代理の方が義理で書類だけ置いくだけです。陳情団に私の支援者がいると、「福島さんの部屋に寄りたいんだけど、寄れない」と連絡をくれたりします。「野党に行ったら予算削るぞ」とでも脅されているのでしょうか。
 
 そんな中、地元の事務所には茨城県法人会連合会の皆さんが「平成29年度税制改正に関する提言」を持っていらしていただき、ライオンズクラブの先輩の君島さんにご説明をいただきました。ところがこの提言書の1丁目1番地は「財政健全化に向けて」。誰が書いたか、お里が知れます。中身を見ても、たとえば社会保障制度について「年金については、「マクロ経済スライドの厳格対応」「支給開始年齢の引き上げ」「高所得高齢者の...基礎年金国庫負担相当分の年金給付削減」等、抜本的な施策を実施する」と財務省の言い分そのもので、本当に法人会に所属する中小企業の皆さんが心から要望していることとは思えません。

 中小企業の皆さんに関係するところでも、法人税について「中小法人に適用される軽減税率の特例15%を時限措置ではなく、本則化する。なお、直ちに本則化することが困難な場合は、適用期限を延長する」とあります。まず、中小企業は軽減税率を引き下げることを要望していたはずですが、減税要望はここでは除かれてしまっています。本則化だけ要望すればいいのに、わざわざ「困難な場合は」と入れることによって、事実上中小企業が求めている本則化の要望を取り下げてしまっています。適用期限を設ければ、財務省にとってみれば毎回毎回査定をすることで自らの権限を維持できるし、与党政治家にとってみれば「業界の要望実現のために汗を流しました」と票と政治式を獲得する大義名分が得られるからです。損をするのは、まじめに事業をやっている中小企業だけ。
 
 多くの要望書を拝見しみると、その業界が心から要望しているものも中にはありますが、大部分が役所から天下った専務理事のような人物が書いた役所の要望の代弁ばかりです。このようなものを実現しても、実際にビジネスをやっている人の利益にはならないから、日本経済とりわけ地域経済は20年以上も停滞しているのです。役所の要望を叶えるために、まじめな民間の団体が動員され、与党の政治家がそれを受け取って汗を流したふりをして役所の言い分を実現する。政治家は「俺のお蔭でお前たちはもうかっているんだ」とふんぞり返る。そんなバカバカしい陳情文化をやめることこそが、最良の経済政策なのです。皆さん、目を覚ましましょう。

 

 

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