〇「新聞は読むものではなく書くもの」。記事のネタが枯れる月曜日が休日の読売新聞や日経新聞の1面は、政権内部からのリークネタが紙面を飾ることが多い。
なぜ、今日の読売新聞の1面肩にこのような記事が出たのか、私なりの仮説はあるが、ここで書くのはあえて控えたい。皆さんも、ぜひ想像を巡らせてほしい。ただ、一言言えるのは、安倍政権から菅政権へと政権移行がほぼ終了して、政権内部で何かが起きているのだろう、ということだ。
注目すべきは2点だ。ネット記事では書かれていない
「安倍氏側からは出納帳などを、ホテル側からは明細書などの提出を受けて分析を進めている。関係者によると、前夜祭の飲食代などの総額は、参加者の会費だけでは不足していたという」
と問題の核心に触れることが書いてること。
そしてもう一つは、さりげなく一面の真ん中に「首相の厚遇 二階派の春」と題した記事が載っており、その中で
「菅は以前から二階の手腕を評価してきた。2016年に幹事長の谷垣禎一が自転車事故で大けがを負った際、首相の安倍晋三に二階の起用を進言したのは菅だった。昨年、安倍が二階から岸田文雄への幹事長交代を検討した際には、菅は「本当に代えるつもりですか」と猛反対した」
と書かれていることだ。
おそらくこの二つの記事は、セットだ。こうして見てみると、政治は生もので、見えないところで大きな地殻変動が起きていることが推察される。記事が事実なら、国会でのこれまでの安倍前首相の答弁の多くが虚偽だったことになる。対する野党は、はたしてこうしたダイナミズムを肌で感じて、どのように対峙しようとしているのだろうか。こういう記事に留飲を下げたり、喜んでいる場合ではない。