〇盛土等規制法案についての法案審議に立ちました。43分間の時間をいただいたので、条文に即してなるべく緻密な議論を心掛けたつもりです。この法案には、日本維新の会提出の「特定土砂等の管理に関する法律案」等が対案として提出され、二つ法案が同時に審議されているので、維新案提出者の足立康史議員にも質問をいたしました。
この法案には致命的な欠陥があります。それは、盛土等の規制がかかる特定盛土等規制区域が(居住者等の)「生命又は身体に危害を生ずるおそれが特に大きいと認められる区域」に限定されていることです。私の地元では盛土や林地の開発などが行われるのは人家の少ない地域ですが、これらが崩落したりすれば田んぼが埋まったり、道が通行できなくなったり、さまざまな経済的な被害が生じます。今回の法案では、このような事例が広く対象にならない可能性があるのです。
また、特定盛土等規制区域にあっても、盛土等の工事計画を工事主が届け出て30日以内にしか都道府県は勧告を出せません。この短期間の間に書類審査をすれば大丈夫だと国土交通省は言いますが、現場確認などもしなければならないでしょう。しかし、法第43条に規定する立入検査の権限が、届出後には及ばない規定になっているのです。この法案の欠陥を指摘したところ、宇野都市局長(元茨城県副知事)はあっさり欠陥を認めました。条文ベースでの緻密な議論だからこそ、このようなやりとりができるのです。その他にも、いくつかの法案の欠陥を指摘いたしました。
盛土問題の根幹は、建設残土の処分がきちんとした法制度の下にないことにあります。中には悪意を持った業者もいて、不法・脱法の残土処分が横行しているのです。維新案は、この点を焦点にして、残土のトレーサビリティを義務付ける法案で、大きな意味のある法案であると考えます。ただちに実施することは困難でも、何とか土砂の処分に関する規制の導入に向けた道筋をつけたいと思います。
今日の委員会前には、政府案に対する修正案を立憲民主党、日本共産党、れいわ新選組とともに提出いたしました。本来は今日の採決が想定されていたのですが、政府案と維新案さらには野党修正案が出されたことを受けて、与野党間で修正協議が行われます。斉藤大臣も私の質疑に対して、必要があれば立法府による政府案の修正に従う旨を真摯に答弁してくれました。私は、政局を超えて、こうした委員会での法案の修正協議は健全に国会が機能している証だと考えます。それぞれの対案・修正案を踏まえた実りある修正協議がなされることを期待いたします。
質疑のやり取りについては、Youtube 福島のぶゆきチャンネルをご覧ください。