福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

取っ組み合いの論戦を

〇役人時代から、永田町界隈をウロウロして30年になろうとしているが、今年のような国会は初めてだ。野党が全く野党の役割を果たしていない。国会にいて、連日忸怩たる思いをしている。

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 予算成立が、こんなにスムーズなのも異例だし、ロシアのウクライナへの侵略や経済の不透明感など国政の根本に関わる重要な問題が続発しているのに、総理と野党が直接議論する予算委員会の集中審議は、予算審議中以外にこれまで一度も開かれていない。岸田内閣になって国会で法案の条文修正がなされるようなことはなく、先日の国土交通委員会での盛土等規制法案の審議で、ようやく初めてそれが行われた。今国会での審議が止まったのは、昨日の国土交通委員会での私の質問が初めてだ。

 実際に、花形と言われている予算委員会や、自分が所属している委員会に出ていると、質疑者は自分の聞きたいことを聞くばかりで、大臣に「お願いします」とへりくだったりして、初めから政府与党と対決する気概は見えない質疑者が多い。法案審議の時も、審議前から野党の負けを確定する付帯決議案を野党の理事が嬉々として持ち回るなど、国会審議を通じて法案を修正したり反対する意思は初めからない。私が、分裂している野党の連携のための地ならしをしようと思っても、野党第一党はそのような努力をしようとはしない。

 こんな国会だから、メディアの政治報道も、めっきり減ってしまった。これは、メディアのせいではない。政府与党との対立軸を明確にし、国民の判断を仰ぐような、報道すべき論戦を行えない野党の責任だ。

 自民党が野党時代は、各委員会の筆頭理事にベテランの大臣経験者をズラリと並べて、相次ぐ審議拒否、プラカードを掲げての議事妨害、ちょっとしたスキャンダルでも意地悪で支離滅裂な政府与党批判の質疑、口汚いヤジと、下品なまでに民主党政権を攻め立てた。そうまでして権力を奪い取る気概に満ちていたからだ。

 比較的高学歴でエリート育ちが多い今の野党の皆さんには、そこまで下品にはなれないのだろう。もしかしたら、若いときに取っ組み合いの喧嘩などしたことがない人も多いのかもしれない。でも、あらゆる手を使ってでも権力を奪うつもりがない野党なら、政治になんて携わらないほうがいい。野党の役割は、政策を提案することではない。自らの政策を実現するために、国民を巻き込みながら権力を掴むことだからだ。

 来週は、おそらくはこの国会最後の予算委員会で、総理と野党の直接対決がある。死ぬ気になって、取っ組み合うことを期待したい。我が有志の会も、短時間であっても、そのような論戦を繰り広げてまいる所存だ。